飲食店の経営は、料理が好きだから…というだけでは務まりません。飲食店の経営をしていくうえで、必要となることをまとめました。
飲食店の経営とは実際に飲食店が開業してからがスタートとなります。まず第一ステップとして飲食店を開業することから始まるのです。まずは開業の流れを把握しておきましょう。飲食店の開業にはさまざまな準備が必要となり、一から準備するとなれば、数か月~半年以上の長期戦となるため事前にしっかりと計画をたてて行動するようにしましょう。
良い立地の物件は人気であり、競争率が極めて高いものです。なかなか空きがでなかったり、空きが出てもすぐに埋まってしまうことがしばしばあります。希望の物件はすぐに契約できるように体制と整えておくこと、または条件が似たような別の物件を探してみるなど、物件探しは時間をかけてじっくりとおこないましょう。
飲食店開業で重要なポイントとなるのがコンセプト設計と事業計画書になります。コンセプトをもとにメニューを開発したり、店舗の内装をすすめていくとになるからです。また事業計画書は、融資の申し込みの際にも大きな意味をもつものとなるためできるだけ詳細に作成します。
事業計画書と並行して資金計画を作成していきます。予算との兼ね合いをみながら、無理のない計画をたてましょう。融資を受ける際には、それらの計画書を前提として融資が可能か不可能かが決まることになります。
店舗内装工事業者による工事が始まります。予算内でイメージしている内装を手掛けてくれるような信頼できる内装工事業者を選ぶようにしましょう。価格が安いからというだけで業者を決めてしまうと、手抜き工事がおこなわれてしまったり、追加工事が必要となってしまう場合があるからです。
飲食店開業に必要な申請や届け出などを管轄の保健所、消防署などへ提出する必要があります。それらを提出して、許可を得ることができなければ、開業することができないため、忘れることのないよう気をつけましょう。
スタッフを雇う場合には、店舗のオープンまでに採用と教育をおこなう必要があります。SNSを利用すると、無料で広告宣伝と同時にスタッフを募集することが可能となります。
ここまでが、飲食店開店までにおこなう事前準備となります。短期間で上記すべてをおこなうことは難しいため、余裕をもった計画で確実ば準備が重要です。
無事に飲食店を開業することができたということであれば、ここから飲食店の経営がはじまることになります。そもそも飲食店の経営とはどのようなことを指すのでしょうか。
飲食店の経営とは言葉どおり、店舗を経営して収益を上げることをいいます。 具体的には、店舗のコンセプトを考えたり、事業計画書を作成したり、資金調達をおこなったりすることはもちろんのこと、メニューの開発、接客、仕入れ、スタッフ教育、広告宣伝などを通して、収益化のための仕組みづくりが店舗経営です。
幅広い業務をこなしながら自分の理想とする店をつくる飲食店の経営者として、経営に専念する場合もあれば、自ら料理人として厨房に立つ場合もあります。
そのため経営の知識だけではなく、フードサービス業界で仕事を経験し、場合によっては勉強や修行、資格の取得などを必要とすることもあるでしょう。
独立・開業するケースの他にフランチャイズへの加盟も経営者と呼ばれます。
店舗経営に似たものに店舗運営がありますが、店舗運営は店舗全体をマネジメントすることで、組織全体を動かすことを指します。経営では収益化に重点が置かれ、体制づくりを含めた全体構想を進める一方、運営ではすでにる仕組みの効率化、円滑化をはかり事業を運営していくといった違いがあります。
飲食店経営でよく聞かれる言葉に、「QSC」というものがあります。これはQuality(クオリティ)、Service(サービス)、Cleanliness(クレンリネス)の頭文字をとった言葉です。
料理や飲み物の品質のことを指します。メニューやマニュアル通りの見た目や盛り付けがおこなわれているか、量は正確でるかなど、品質のばらつきがないようなクオリティを保ち、顧客満足度を下げないことです。
スタッフの接客レベルのことです。顧客に対する笑顔や言葉づかいだけでなく、料理を提供する際の態度や振る舞いなど、全てをひっくるめて、不快な思いを感じさせないようなサービスを心がけます。
クレンリネス(Cleanliness)とは、清潔という意味の英語で、飲食業において店舗が衛生的で清潔である状態を保つための作業を指します。飲食店の基本である衛生管理はしっかりと出来ているか、厨房も含め、飲食店内は全て清潔な状態を保てているか、という視点です。清潔で気持ちの良い空間をつくることが基本になります。
このように飲食店の経営では、料理の質に加え、スタッフの教育や衛生管理などが大きく関係してきます。経営者にはこれらを一つにまとめ上げるリーダーシップ、
そして店舗経営に関する的確な決断力と運営力が求められることになります。調理場に立つことも考慮すると、調理技術のある人が望ましく、飲食業界での経験だけでなく、商品開発や人材育成など、ビジネススキルも求められるものといえます。特に品質とサービスに力を入れることが経営が成功する道となるでしょう。
飲食店経営におけるコミュニケーションでは、顧客に対する接客業務だけでなく、スタッフとのコミュニケーションも重視することをおすすめします。均一なサービスを提供するためには、普段からスタッフとコミュニケーションを取り、相談や報告がしやすい環境づくりをすることが大切だからです。
原価率や客単価、回転率などを考えずなんとなく経営を続けていくと、売上があるのに利益が出ない、忙しいだけで赤字が続く、といった事態がおこります。キャッシュフローは明確に、メニューを決める際にも原価率などを考慮して決めることが大切です。データ分析や会計管理までしっかりとおこなうことが重要です。
飲食業界は常に変化しており、成功するためには常に最新のトレンドに敏感であることが重要です。常にアンテナを張り、積極的に取り入れることで、競合との差別化を図り、顧客満足度の向上につなげられます。
飲食店経営において、SNSの活用は相性がよくとても有効な手段です。SNSを上手に利用することで、低コストで広告宣伝が可能となります。店内やメニューを撮影して投稿することは店舗の魅力を発信できるだけでなく、自店舗を客観視できるメリットもあるのです。
レストラン経営には多くのポイントがありますが、スタッフの教育、メニュー構成、顧客満足度の追求、クリーンな環境作り、トレンドを見逃さないことが成功の鍵となります。そして総合的な判断力や決断力で、全体をみながら、収益をだすためにどのように動いていくべきかを考えながら冷静に的確な運営をしていく力がなによりも必要よいえるでしょう。