蕎麦屋の開業資金や利益を出すために必要なことを詳しく解説

今回はまず、蕎麦屋の開業を考えている人にとって気になる開業資金の目安を解説したうえで、蕎麦屋の開業が難しいといわれている理由や、難しいなかでも利益を出すためのポイントなどについてもご説明します。

蕎麦屋の開業に必要な資金の目安は1,000万円

蕎麦屋の開業に必要な資金は、その蕎麦屋がどれだけの規模かによって大きく異なりますが、小さな店舗であっても物件取得費や外装・内装工事費、厨房機器や備品などの費用、さらに当面の運転資金まで含めると少なくとも1,000万円近く、あるいはそれ以上の金額となります。

店舗の規模が大きくなればなるほど開業に必要な資金もふくらみ、2,000万円を超える資金が必要となるケースも珍しくありません。

飲食店のジャンルによっては数百万円程度で開業可能なものもありますが、そうした安い開業資金でOKなジャンルと比べると、蕎麦屋の開業資金はかなり高めです。

蕎麦屋の開業成功は難しいといわれる理由

蕎麦屋は数ある飲食店ジャンルのなかでも、開業して成功させるのは難しい部類に入ると考えられています。

その理由としてはまず、前述のとおり「開業資金が高くつく」というのが挙げられますが、問題はそれだけではありません。

開業資金以外にも、以下のような問題点があります。

• 仕込みに手間暇がかかる
• 客単価が低め

それぞれの理由についてご説明します。

1．手打ちの蕎麦屋は仕込みが大変

蕎麦屋の開業、経営成功が難しいといわれる理由としてまず挙げられるのが、仕込みの大変さです。

手打ち蕎麦を出すとなると、蕎麦打ちだけでも相当な時間を取られてしまうなど、一般的な飲食店に比べると仕込みの労力がより多くかかってしまいます。

もちろん手打ち蕎麦を出すのではなく業務用の蕎麦を仕入れて出すという手もありますが、これはこれで「その店ならではの蕎麦を出すことができないので差別化が図りにくい」というリスクをともないます。

2．お酒やサイドメニューがあまり出ないので客単価が低め

蕎麦屋の客単価は、多くの店で1人あたりおおむね1,000円前後というのが相場です。

お酒類やサイドメニュー、コース料理などで客単価を上げられるタイプの飲食店と異なり、蕎麦屋の場合は蕎麦単品か定食メニューの注文が大半を占めるので、どうしても客単価は低めになってしまいます。

難しい蕎麦屋の開業、そのなかで利益を出すためのポイント

蕎麦屋は開業するにあたってそれなりに多額の資金が必要となるにも関わらず、客単価は低めで、しかも仕込みに時間がかかるので経営効率は悪くなりがちです。

このような理由もあって「蕎麦屋の開業・成功は飲食業のなかでも難しい部類に入る」というのは事実ですが、もちろん世の中には立派に経営を成功させている蕎麦屋もたくさんあります。

蕎麦屋の経営で利益を出して成功させるためのポイントとしてまず挙げられるのは、どんな客層をメインにするかを事前にしっかりとシミュレーションし、それに適した立地を慎重に選ぶということです。

あなたが開業する蕎麦屋のコンセプトに適した立地を間違いなく選ぶためには、実際に現場に足を運んで人の流れや街の雰囲気なども確認しておくことが重要です。

立地面以外の成功のためのポイントとしては、

• あなたの蕎麦屋ならではのメニューやお店にとっての売り・強みになるものを作る
• 場所によっては立ち食い蕎麦屋など、お客の回転率を高める形態の店舗にする

などといったものが挙げられます。

蕎麦屋の開業のハードルは高め、しかし利益を出せる可能性はある

蕎麦屋は開業資金がかさみやすく、しかも仕込みが大変、客単価が低くなりがちなどといった理由もあって、飲食店ジャンルのなかでも開業のハードルが高い部類に入ります。

しかし、ターゲットとなる客層に適した立地を間違いなく選び、お店の売りとなるものを前面に出していくなどの工夫をすれば成功させられる可能性も大いにあります。

ハードルは高いけれども、チャレンジのしがいもある、そんな点に魅力を感じることができるのであれば、ぜひ開業を前向きに検討してみましょう。