飲食店の経営が軌道に乗るかどうかは、立地選びで決まるといっても過言ではありません。
立地選びに失敗するとなかなか集客できず、経営不振に陥る可能性がありますので、出店する場所は慎重に検討しましょう。
今回は飲食店経営で立地選びが重要な理由や、立地の種類とそれぞれの特徴、立地調査の方法、立地選びの注意点について解説します。
飲食店経営で立地選びが最も大切といわれる理由は、集客に大きな影響を与えるためです。
「好立地」というと駅チカなどアクセスの良い場所をイメージしがちですが、飲食店の場合は、自分の店のコンセプトが出店場所にいる顧客層とマッチしているかどうかも重要なポイントになります。
たとえばファミリー世帯が多いエリアなら子どもが喜ぶメニューを提供する店に人気が集中しやすく、高齢者が多いエリアなら和食メニューの需要が高い傾向にあります。
このように、自分の店と相性の良い立地を選べば、集客効率がアップし、経営を軌道に乗せやすくなります。
飲食店の立地に適した場所は複数あり、それぞれ特徴が異なります。
ここでは飲食店の立地の主な種類とその特徴を4つご紹介します。
さまざまな店が建ち並ぶ繁華街は人通りが多いため、かなりの集客を見込めます。
ターゲット層も、若者からビジネスマン、高齢者まで幅広いので、店のコンセプトに合わせやすいのも利点ですが、そのぶん競争が激しく、賃料も高い傾向にあります。
住宅街はファミリー世帯が主なターゲット層となる立地です。
子ども向けのメニューが充実した店はもちろん、高級住宅街なら主婦向けにおしゃれなランチを提供するお店を出しても人気が出やすいでしょう。
繁華街に比べるとターゲット層は限定されますが、賃料を安く済ませられるところもメリットです。
オフィス街の飲食店は、昼休みあるいは退勤後のビジネスパーソンが主なターゲットとなります。
サラリーマン向けに安くてボリュームのあるメニューを提供してもいいですし、女性向けにおしゃれなメニューをそろえたお店も喜ばれます。
平日は安定した集客を見込めますが、仕事が休みになる休日は人通りが途絶えるところに注意が必要です。
駅前は、徒歩で行き来する人が多いという性質上、アルコールを提供するお店に人気が集まりやすい傾向にあります。
駅周辺が栄えているエリアなら、電車通勤しているビジネスパーソン以外の集客も見込むことが可能です。
ただ、駅チカエリアは賃料が高いため、予算を抑えるのは難しくなります。
飲食店の出店場所を決める際は、必ず立地調査を行いましょう。
具体的には、周辺の店舗に聞き込みを行ったり、曜日・時間帯ごとの人通りをチェックしたり、客層を確認したりします。
また、同じタイプのお店が候補地の付近にどのくらいあるかも調べておくことが大切です。
立地調査が甘いと、いざ出店したときに集客に苦労することになりますので、できるだけ時間をかけて念入りに調査することを心がけましょう。
飲食店の立地選びで重視するポイントは人それぞれですが、以下のような立地はなるべく避けた方が無難です。
立地選びの重要性でも説明しましたが、自店のコンセプトに合ったターゲット層が少ないと十分な需要を見込めず、経営不振に陥る可能性があります。
また、競合店が多いところに新規参入すると、どうしても既存店と比べられるため、ハードルが高くなりがちです。
特に初めて飲食店を開業する場合は、競合店が密集する立地は避けた方がよいでしょう。
ネームバリューや知名度がなくても、繁華街や駅チカならある程度の集客を見込めますが、そのぶん賃料は郊外や住宅街よりも割高になりがちです。
いくら集客できても、賃料が予想売上を上回るようでは赤字経営になってしまいますので、事前に売上のシミュレーションを行い、収益を見込める賃料の基準を算出しておくとよいでしょう。
飲食店を開業する際は、自店のコンセプトや提供するメニューをもとに立地を選ぶことが非常に大切です。
立地選びに失敗すると集客に苦労する可能性が高くなりますので、店のコンセプトを明確にした上で候補地を絞り、聞き込みなどの立地調査を念入りに行いましょう。
なお、自店のターゲット層が少ない場所や、競合店が多い場所、賃料が高い場所はリスクが高いので、避けた方が無難です。