ドリンクは調理が必要な他のメニューに比べると低コストで利益を上げられます。ですがドリンクの種類によっては食品表示が必要だったり販売するために許可を取得しなければならなかったりします。ドリンクの販売の前により利益を高めるためのコツも確認しましょう。
現在飲食店として営業をおこなっている場合特別な届け出は必要ありません。
今から開業してドリンクの販売をおこなう場合は、食品衛生責任者の資格と飲食店営業許可を取得する必要があります。
食品衛生責任者は講習を受けることで資格を取得でき、飲食店営業許可は飲食店の設備に問題がないかを保健所に検査された上で取得できます。
食品衛生法とは、飲食による健康被害を防止するために定められている法律です。飲食店ではアレルギーや食中毒など、様々なトラブルが起こる可能性があります。
それを防ぐために、食品衛生法では食事の提供方法や管理などに関するルールを定めています。食品衛生法では無許可で飲食店を営業した場合の罰則として、2年以下の懲役、または200万円以下の罰金を定めています。保健所に確認を取らずにドリンクの提供を行うと、罰則を受ける可能性もあるため注意しましょう。
ドリンクの販売をおこなうにあたり許可が必要になる代表的なケースを紹介します。
すでに飲食店として営業していて、店内でこれまでに提供してきたドリンクをテイクアウト販売する場合は、基本的に新たに許可を得る必要はありません。
これは、飲食店の営業開始にあたって取得した許可で、テイクアウト販売に必要な条件も満たしていると考えられるからです。
一方でいま営業している店舗とは別に、新しく店舗やテイクアウト用の設備を設ける場合は、許可をとることが必要になります。店舗外でのドリンクの提供には、食中毒のリスクが伴うことが考慮されているため、衛生面での基準を満たす必要があるのです。
たとえば、今ある店舗の延長上だとしても、店舗内の厨房以外の場所で調理をしたり、お店の外や移動販売でドリンクのテイクアウト販売を行ったりする場合には、改めて許可が必要になるので注意しましょう。
食事を提供しなくてもドリンクのみの専門店だとしても、新規に開業する場合には飲食店開業と同様に管轄の保健所で、飲食店営業許可証を取得する必要があります。
飲食店開業と同様に食品衛生責任者の資格の取得も不可欠です。それは店舗ではない、キッチンカーやテイクアウト専門店だとしても一定の基準を満たした設備および営業許可を必要とします。
営業許可の取得に必要な基準は自治体によって異なるため、まずはエリア管轄の保健所に事前に相談してみるといいでしょう。
酒類の販売には、酒類小売業免許が必要です。店内での酒類の提供をおこなっている場合でも、テイクアウト用に酒類の販売をすることは認められていません。
これは無許可販売となってしまうため注意が必要です。しかし、テイクアウト販売の場合は事情が異なり、酒税法により酒類販売業免許の取得が求められます。
酒類販売業免許の取得には、これまでに税金の滞納処分を受けたことがないこと、法令違反を犯し罰則を受けたことがない、などの要件を満たしていなければならず、お酒を販売する場所が適切かどうかも厳密に判断されます。
このように酒類のテイクアウトには別途許可が必要であるため、客層や立地などを考慮してお酒のテイクアウト販売の必要性をじっくり検討しましょう。
上記のようなケースとは別に、エステサロンや美容室でサービスとして提供されるような無料のドリンクがありますが、その場合に関しては基本的に許可を取得する必要がありません。
しかしながら食品衛生法に準じてサービスをおこなう必要があり、提供の方法次第では、違法となる可能性もあるため注意しましょう。
このような事態を防ぐためにも、無料でドリンクの提供をおこなうサービスの場合でも、保健所に確認をとることがのぞましいといえます。
食品に何が含まれているかを消費者に正しく理解してもらうために食品表示法という法律があります。
食品表示法に則って原材料やアレルギー物質などは表示しなければなりません。
製造者が消費者に対して直接販売する場合、製造所と販売所が同じ場合は食品表示の義務はありません。
製造者や製造所と、販売者、販売所が違う場合はドリンクであっても食品表示が必要です。
名称、保存方法、消費期限または賞味期限、添加物、製造者の名称や住所、アレルゲンの表記は必須です。
自社ではなく他の施設で調理されたドリンクを提供する場合はさらに原材料名、内容量または総量、栄養成分、熱量、食品関連事業者の名称や住所の表記も必要です。
ドリンク販売に必要な準備を紹介します。より売り上げを伸ばし、お客様に喜んでもらえるメニューを考えましょう。
提供している食品、よく来店する客層、店舗があるエリアで何の需要が高いのか市場調査をおこないます。
ケーキによく合う紅茶、新鮮なフルーツの味を楽しめるスムージー、健康志向の方のための栄養価が高いドリンク、ビジネス層向けのコーヒーなど、ドリンク一つを取っても求められるメニューは違います。
市場調査の上周辺に競合店が多い場合は独自のこだわりを見つけることも大切です。
メニューを決めます。
どのドリンクに絞るか、どこから材料を仕入れるか、どんなラインナップにするかなどです。
季節限定のメニューやオリジナルのメニューを開発してリピーターを獲得する方法もあります。
原価から利益を計算し、適切な価格を決めることも忘れないようにしてください。
ドリンクをテイクアウトで提供する場合は容器の選定も重要です。
持ち運びやすい、熱が逃げない、美味しさをそのまま提供できるなど容器にもこだわりましょう。
写真映えのするおしゃれな容器の需要も高く、店名がわかるシールやプリントがあれば宣伝効果も高いです。
ドリンクを入れる容器だけでなく紙袋や容器を固定するボール紙などの用意も必要です。
ドリンクの提供の際の注意点、コツを紹介しました。
ドリンクの販売は利益を上げやすいですが、飲食店の営業許可や食品表示のルールを守る必要があります。
ルールをよく確認した上で適切な販売方法を守り、その上でより利益を出しやすいメニューを考えましょう。
市場調査はもちろん、ドリンクメニューのラインナップやテイクアウト容器へのこだわりも重要です。
2~3年ほど前にタピオカドリンクが爆発的な人気となったことは記憶に新しいところです。ドリンクにも流行があり、バナナジュースやレモネードの販売店などが出店されています。ドリンク販売を成功させるためのポイントをおさえておきましょう。
そんな事業でもリピーターを増やすことは非常に重要です。ドリンク販売も例外ではありません。リピーターが増えることは店舗の安定的な収益につながるうえ、リピーターによって新規の顧客が増えたり、お店を周知させるきっかけを生み出してくれたりすることにつながります。
リピーターとなってもらうためには、定期的なクーポンの配布やポイ活が注目されている今は特にポイントカードなどが効果的といえます。
アプリを活用することで、ポイントだけでなくDMやクーポンもそれだけで完結させることができます。優秀なマーケティングツールとなるだけでなく、利用する側からも使いやすく便利であるということが大きなメリットといえるのです。
ドリンク販売ではSNSの活用が非常に相性がいいといえます。SNSでは商品の写真映えや動画映えが大きく影響するからです。店舗のターゲットをよく確認してX、Instagram、TikTokなど、どのSNSの利用が向いているのか考えてみましょう。
SNSで人気を得るには、映える画像が必要となります。そのためには、味はもちろん見た目にもこだわることが挙げられます。商品に魅力を感じてもらえるような色使いやパッケージ、容器の工夫、インパクトのある見た目などを意識することがポイントです。
また、機能面にも気を配ることが大切です。例えば、ドリンクを買ったお客様がすぐにその場で飲むとは限りません。
長時間持ち歩く可能性なども考え蓋つきカップを採用したり、テイクアウトしたドリンクは持ち運ぶためのカップドリンクホルダーなども販売すると、一緒に売れる可能性があるでしょう。このような便利グッズやアイディアは他店との差別化にもなります。