犬も人もくつろげる幸せ空間のドッグカフェ。犬好きには憧れのドッグカフェ経営は儲かるのでしょうか?
ドッグカフェとは、犬と一緒に入店して過ごすことができるカフェのことです。通常、ペット同伴不可の飲食店が多い中、ドッグカフェでは犬を連れての利用が許可されており、飼い主が食事や飲み物を楽しむ間、犬もリラックスして過ごすことができます。
同じ愛犬家たちが集まるので、初対面の客同士でも話が弾むほか、飼い犬に社交性を身につけさせることができるという利点もあります。
ただし、飼い犬にはトイレのしつけなどの最低限のマナーと、狂犬病や各種ワクチンの予防接種を受けさせておくなどの必要があるところもあります。
店によっては小型犬のみと犬種が制限されている場合もありますが、基本的にはしつけさえしっかりしていれば、超小型犬から超大型犬まで一緒にカフェを楽しむことができます。
似たものに犬カフェというものがありますが、こちらはお店にいる犬との触れ合いを楽しむことを目的としたカフェとなっています。
ドッグカフェでは、犬向けの特別なメニューが提供されることがあります。犬も飼い主と一緒に食事を楽しむことができるのが魅力です。
店内には犬がくつろげるスペースやベッド、犬用の食器、リードをつけておけるフックなどが備えられていることが多いです。またドッグランが併設されている場所もあり、犬は走り回って遊ぶこともできます。
ドッグカフェでは、他のお客さんの犬とも触れ合うことができ、飼い主同士の交流も生まれやすいです。
一部のドッグカフェでは、ドッグトレーニング、ドッグヨガ、写真撮影などのイベントが開催されたり、トリミングサービスが併設されていることもあります。
ドッグカフェは、愛犬と一緒にリラックスできる場所として、ペットを大切にする人々の間で人気を集めています。
ドッグカフェは犬連れの人が多く利用します。ペットは家族として迎え入れる際に費用がかかる場合があります。その後の生活でもフード代や、定期予防接種費用、トリミングが必要な犬種であれば、トリミング費用がかかり、体調が悪くなれば病院行かなければならず、人間よりも高い診察費用がかかる場合もあります。
一緒に生活していくうえでさまざまなお金がかかることを理解している人たちがペットを飼っていることでしょう。そのように考えるとドッグカフェを利用するのは、お金に余裕のある人たちと考えられるかもしれません。だからといって、つまりドッグカフェは儲かるか、というとそこはイコールではありません。
ドッグカフェは通常のカフェと比較すると、儲かりずらいというのが実情です。それにはさまざまな理由があります。
ドッグカフェでは、犬連れ同士のお客さん同士でコミュニケーションをとることもあり憩いの場となりがちです。またドッグランやトリミングサロンが併設されていると、犬が遊んでいる間ややトリミング中にカフェを利用することになり、一杯のコーヒーで何時間も滞在することになります。
通常のカフェでは、休憩や待ち合わせに利用することが目的であるため、一定の時間で回転していくことになります。お客さんの入れ替わりがないということは売り上げにつながらないということになるのです。
カフェだけでは採算がとれないため、トリミングサロンを併設することもあります。その場合には、特別な資格を持っている人たちをスタッフとして雇う必要があるため人件費がかかります。動物関係は専門知識が必要な専門職といえるのです。
ドッグカフェはあちこちに点在しているわけではありません。歩いて行ける距離にない限りは車での移動が必須となるでしょう。そうなると駐車場は欠かせません。
また店内も人間が座るスペースだけでなく、ある程度の間隔をあけてテーブルを設置するなどしなければ犬の居場所がなくなってしまいます。店内を広くすれば、家賃が高くなりますが、狭いスペースでは席数を減らすしかありません。ドッグランやトリミングサロンを併設する場合であれば、さらに広い物件が必要となります。
人通りがよく、立地条件がいいとなるとかなりの家賃となってしまいます。
上記のような理由から、ドッグカフェは儲かりずらいということがいえます。
ドッグカフェを開業するためには、計画から運営までの各ステップを慎重に進めることが重要です。
開業にあたって、事業計画をたてます。ドッグランを併設するのか、犬用メニュー、トリミングサービスなどを決めます。また同エリアにある他のドッグカフェやペット関連ビジネスの調査を行い、差別化ポイントを見つけます。
ドッグカフェでは立地が非常に重要です。犬の散歩コースに近い場所や、ペットオーナーが多い住宅街、または公園やドッグランの近くを選ぶのが理想的です。
また車で来やすい場所、駐車場の確保ができること、犬同士の距離感を考慮して、十分なスペースが確保できること、そして周辺にペット関連の店舗や動物病院がある場合、相乗効果が期待できます。
必要な資金を確保するために、自己資金や融資、補助金の利用を検討します。
ドッグカフェならではの設備が必要になります。店舗デザインは、犬と飼い主の双方が快適に過ごせる空間を目指しましょう。犬が自由に過ごせるスペース、リードフックやクッション、犬用トイレの設置などが必要です。犬と飼い主が一緒に食事できるテーブルレイアウトや座席配置を検討します。衛生管理は非常に重要なポイントです。犬の毛や汚れに対応するための清掃設備や換気が必要です。
ドッグカフェを開業するためには、飲食店と動物取扱業の許認可が必要です。必要な手続きは地域によって異なるため、事前に確認することが大切です。
ドッグカフェの形態によっては、第一種動物取扱業の登録、動物取扱責任者の選任、農林水産省や消防署への届出が必要になります。
ペットフードの安全を確保するために、愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)が定められています。
ペットフードを製造または輸入する事業者は、法人または個人を問わず提供を開始する前に各都道府県の農林水産省地方農政局などに届出が必要です。
第一種動物取扱業者とは、営利目的で、動物の販売・保管・貸出し・訓練・展示・競りあっせん・譲受飼養を行う業者のことです。該当する場合は、都道府県知事や政令指定都市の長に申請し、第一種動物取扱業者として登録しなければなりません。ペットホテルを併設してドッグカフェを営む場合などは登録が必要となります。
第一種動物取扱業を営む場合、動物取扱責任者の1名以上、常勤の職員から選任することが義務づけられています。動物取扱責任者は、次のいずれかの要件を満たさなければなりません。
※動物取扱責任者
獣医師法に規定する免許を取得している、愛玩動物看護師法に規定する免許を取得している、半年以上の実務経験がある、または実務経験と同等の1年以上の飼養経験があり、動物取扱業に関わる所定の学校を卒業している、半年以上の実務経験がある、または実務経験と同等の1年以上の飼養経験があり、愛玩動物飼養管理士など一定の資格(自治体によって異なる)を取得している。
ドッグカフェのメニューは、飼い主向けの飲食メニューだけでなく、犬用のメニューも重要です。
動物を扱う特殊な業態であるため、動物好きであり、犬の扱いに慣れたスタッフを採用することが理想的です。また、衛生管理や顧客対応に関するトレーニングもおこなう必要があります。
開業前からしっかりとした宣伝活動を行うことで、初期の集客を成功させることができます。InstagramやTwitterなどのSNSを活用して、カフェの雰囲気やイベント情報を発信します。
すべての準備が整ったら、いよいよ開業です。オープニングイベントや特典を用意することで、初回の集客を増やし、口コミを広げていくことが重要です。また、顧客のフィードバックを積極的に取り入れて、サービスを改善していくことが成功のカギとなります。
ドッグカフェで利益を安定的に上げるには、しっかりとした計画と戦略が必要です。
ドッグカフェの成功にはペットオーナーが多い地域や、散歩コースに近い場所であれば、集客しやすいでしょう。ドッグランやペット関連施設に近い場所も有利です。
ペットオーナーの中でも特にペットへの関心や支出意識が高い層をターゲットにすることが重要です。たとえば、ペットを家族の一員として扱う人々は、犬用の特別なメニューやサービスにお金を使う傾向があります。
ドッグカフェ単体ではなく、追加サービスを提供することで利益を最大化することができます。犬用のおやつやグッズの販売、ドッグランの併設、トリミングやペットケアサービス、イベントなどを検討しましょう。
ドッグカフェの開業には、通常のカフェに比べて初期投資が大きくなる可能性があります。犬用設備や清掃が頻繁に必要であるため、運営コストが増加することもあります。また、衛生面にも特別な配慮が必要です。清潔で快適な環境を維持するための費用がかさむことも、利益率に影響を与えます。
ペットビジネスは拡大している分野ですが、競争も激化しています。他のカフェとの差別化が難しい場合、単に「犬が入れるカフェ」だけでは十分な利益を得るのは難しいかもしれません。顧客がリピーターとなるための魅力的なサービスや特別な体験を提供することが求められます。
犬を飼っている人は、定期的に散歩や外出をするため、リピーターになりやすい傾向があります。そのため、顧客満足度を高め、再訪を促すサービスが重要です。ロイヤルティプログラムや、犬に優しい環境作りは、長期的な利益に貢献します。
ドッグカフェの経営は想像以上に難しい分野といえます。ドッグカフェ経営は、しっかりとした市場調査、差別化、立地選び、そしてリピーターを確保する戦略を練ることで利益を生む可能性があります。差別化やコストを十分に考慮した上で慎重に計画を立てる必要があるでしょう。