定年後の生き方として、退職金を投資し、飲食店を始めたい方も多いでしょう。しかし、いざ開業したものの大赤字となり、初期投資額の回収すらままならない方が少なくありません。中小企業調査室の調査によれば、飲食業は「高開業率・高廃業率」の業界です。[注1]
参入障壁が低い代わり、適切なノウハウを持たず、正しい経営戦略をとらなければ、廃業の危険が高くなります。この記事では、定年後の飲食店開業で陥りがちな3つのリスクと、その対策について解説いたします。
[注1]中小企業調査室:2017年版中小企業白書 概要[pdf]
定年後に飲食店を開業する人が陥りがちなのが、下記の3つの失敗です。
多くの飲食店が赤字に陥る理由は、「独りよがり」な店舗経営にあります。「自分好みの料理を提供したい」「内装にこだわりたい」とやりたいことを前面に出しすぎるあまり、消費者やマーケットのニーズから剥離し、利益が伴わないお店になってしまいます。
退職金をつぎ込んだものの、投資額の回収という発想を持たない人も少なくありません。銀行から融資を受けている場合、返済計画を考えると回収期間のデッドラインは5年です。
初期費用が1,000万円とすれば、1年あたり200万円、月々16~17万円の利益を上げなければ投資額の回収さえできません。
「友達が来てくれるから」と集客戦略を行わないのもよくある失敗例です。たとえば、ファミリーレストランの場合、月に1回以上利用する人は全体のわずか20%です。数名の常連だけでは店舗経営は成り立ちません。
定年後の飲食店開業で失敗しないためには、3つの対策をとりましょう。
「自分のやりたいこと」ではなく、消費者や市場のニーズを考える「マーケットイン」の発想が大切です。サラリーマンの多い立地なら仕事帰りに寄りたくなるようなお店にするなど、店舗の商圏や立地を考えて事業コンセプトを考えましょう。
飲食店の独立開業には、経営者としての金銭感覚が必要です。初期投資額の回収や、食材原価や人件費などのコスト管理など、利益確保のためには経営者としての手腕が求められます。
繁盛店や人気店を目指すなら、実際に足を運び、「その店にどうして人が集まるのか」をリサーチしてみましょう。集客に成功しているお店には、料理のメニューや店内の雰囲気作りなど、必ず理由があります。
定年後の飲食店開業なら、飲食業界のプロに相談することをおすすめします。飲食店開業には多くのステップが必要です。
開業資金と物件があればそれで終わりではなく、仕入先の確保、什器・設備の購入、料理人やアルバイトの雇用、チラシやWebサイトでの集客、保健所や税務署での手続きなど、やるべきことは山積みです。
飲食店の開業支援の実績が豊富なパートナー企業に相談すれば、飲食店開業が初めての方でも安心です。特に飲食店の内装工事から、厨房機器の販売・リースまでワンストップで手がけるパートナー企業なら、お店のコンセプト作りから開店までトータルでアドバイスがもらえます。
定年後に飲食店を開業したい方は、まずはパートナー探しからはじめてみましょう。
今回は、定年後に飲食店開業をする人が陥りがちな3つのリスクを解説しました。飲食店開業にあたっては、経営者としての目線を持つことが大切です。
友達や常連頼みではなく、市場や顧客のニーズから逆算した事業コンセプト作りが大切です。飲食店開業には、店舗工事から税務署での開業届まで、数多くの準備が必要です。とくに飲食業界がはじめての方は、豊富なサポート実績を持つ開業支援のプロに相談すると安心です。