クレープ屋の開業・経営を成功させるためにはどんな点を意識すべきなのか、開業資金はどのくらい必要なのか、とるべき資格はあるのか、開業するにあたっての注意点とは何か、今回はそれらについて解説していきます。
クレープ屋の開業・経営を成功させるためのポイントとしては、以下の3つが挙げられます。
まずお客目線について、自分ならどんなクレープ屋があれば嬉しいと思うか、どんなクレープが食べたいか、などといったことをお客目線で考え、お客のニーズをつかむ努力をすることは非常に大切です。可能であれば友人などの意見も聞いてみましょう。
次に仕入れについて、スーパーなどでの購入を選ぶオーナーも少なくありませんが、業務用の業者を利用すればスーパーより割安になる可能性があるだけでなく、取引継続状況によっては値段の交渉におうじてくれる可能性がある業者などもあります。開業前にいくつか仕入れ先の候補を探しておきましょう。
あとクレープの見た目について、クレープ屋の客層の中心となる女性や子どもにウケがよさそうな見た目にするというだけでなく、SNSなどにアップしても映えるような見た目を意識しましょう。SNS映えするクレープを提供し、それをお客が拡散してくれれば強力な宣伝となってくれます。
クレープ屋は多種類の設備などを揃える必要がないため開業資金は少なくてすむといわれます。
確かに、厨房機器類や備品、当面の材料費などを入れても100~200万円程度で済むことが多いですが、開業のために必要な資金はそれだけではありません。
店舗を借りる場合は店舗の保証金や初回の賃料、内装工事費がかかりますし、移動販売車を使う場合は車の購入費用や改造費用がかかり、さらにどちらのスタイルであっても最低半年分の運転資金なども必要となってきます。
これらも含めると必要になる資金は少なくとも500万円、基本的には600万~800万円程度がかかるケースが多いです。また、フランチャイズに加盟する場合はさらに加盟にともなう多額の費用がかかります。
次にクレープ屋を開業するために必要な資格についてですが、こちらは
の2つが挙げられます。
1日講習を受けるなどして食品衛生責任者の資格をとってから、保健所窓口に営業許可の申請をする、という流れになります。
また、移動販売車でクレープ販売をする場合は、道路上で営業するためには道路使用許可が、公園内で営業するためには公園管理団体や国土交通省に対する認可申請も必要となります。
クレープ屋を開業するにあたって注意すべき最大のポイントは、やはり店舗選びです。
店舗をかまえるのか移動販売車を使うのか、それをしっかりと決めておきましょう。
店舗を構えた場合はリピート客を呼びやすくイートインコーナーの設置やドリンク・再度メニュー提供など営業内容の幅も広がりますが、立地選びで失敗はできませんし初期費用は移動販売車よりも高めです。
移動販売車は開業のための初期費用が抑えられるうえに、人の多いところに移動することができるなど利便性が高い点は魅力ですが、どうしても店舗の規模が小さくなるのでメニュー内容に制約ができやすく、路上や公園での販売にそれぞれ許可が必要となるなど手続き的な手間もかかりがちです。
両者のメリットとデメリットを比較したうえで、自分がやろうとしているクレープ屋はどちらのスタイルに向いているのかをしっかりと考えましょう。
クレープ屋はほかの飲食店などと比べると開業に必要な資金は安くつきがちで、クレープづくり自体もそれほど難しいものではないので開業のためのハードルは飲食業全体から見れば低めといえますが、甘く見るのは禁物です。
安いといってもそれなりに資金準備は必要ですし、お客目線を忘れた営業や見た目がパッとしないクレープづくりなどを続けてしまうとあっという間に行き詰まります。
手軽だから、という理由でクレープ屋を始めるのはおすすめできません。
なぜ多種多様な飲食店があるなかでクレープ屋にこだわりたいのか、こだわるための準備や努力はきちんとできるのか、まずはそこから考えていきましょう。