飲食店の食物アレルギー対策まとめ

食物アレルギーにはさまざまあり、食事を提供する飲食店において、アレルギー対策は必須事項です。しっかりとした対策で安心な飲食店であることを明確にしておきましょう。

アレルギーを知ろう

現在、日本国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っているといわれています。アレルギーは先進国で非常に大きな問題となっており、工業化・文明化とアレルギーは密接に関係があると考えられています。

アレルギーは年齢により症状が異なるかたちで現れることが多く、そのような現象をアレルギーマーチとよびます。食物アレルギーは、アレルギーマーチのうち最も最初に認められ、アトピー性皮膚炎を伴った形で発症してくるケースがほとんどです。

食物アレルギーは以前からみられるものではありましたが、最近15年ぐらいの間に急増しています。特に1才未満の乳児で最も多く発症しますが、厚生労働省の調査では、小児から成人まで幅広く認められています。

近年の特徴としてさまざまな食品にアレルギーが認められようになってきており、以前ではみられなかった果物や野菜、芋類などによる食物アレルギーの報告もされています。

食物アレルギーとは

摂取した食物が原因となり、体を守る働きを免疫である免疫学的機序を介してじん麻疹・湿疹・下痢・咳・ゼーゼーなどの呼吸症状が起こることを食物アレルギーと定義します。アレルギーは免疫反応の一つでありわれわれの体にとっての異物を排出するための一つのメカニズムです。

したがってアレルギーを起こす対象は主に人間以外の動植物由来の蛋白質がほとんどです。食物アレルギーは小児から成人まで認められますが、その大部分は乳児期に発症し、小児期に年齢ともに寛解していくケースがほとんどです。

小児型の食物アレルギーは、1才前後に最も多く認められ卵・牛乳・小麦・大豆が主要アレルゲンです。小児型の特徴は耐性の獲得といい自然に良くなることで、大部分の症例で自然寛解していきます。

それに対して成人型食物アレルギーでは、主に魚類・エビ・カニ・果物などが多く、耐性を獲得していくことが少ないと考えられています。その中間に位置するのがピーナッツ・そば・ゴマなどであり耐性の獲得はされにくいと考えられています。

アレルギーの主な症状

食物アレルギーと言われる症状には下記のようなものが挙げられます。即時型食物アレルギーの症状は食物摂取後から2時間以内に出現するのがほとんどです。

皮膚症状

じんましん(かゆみを伴う赤い発疹)、アトピー性皮膚炎の悪化、口や目の周りの腫れ

消化器症状

腹痛、吐き気、嘔吐、下痢

呼吸器症状

くしゃみ、鼻づまり、咳、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューとした呼吸音)、喉の腫れによる呼吸困難

全身症状

アナフィラキシー(急性の全身性アレルギー反応で、生命を脅かすことがある)、血圧低下、意識喪失

食物アレルギーの治療方法

根本的な治療法はなく、現在では下記のような対処をおこなうにとどまります。

アレルゲン回避

アレルゲンとわかっているものを含む食べ物を避けるようにしてください。

薬物療法

抗ヒスタミン薬、ステロイド薬、エピペン(エピネフリン自動注射器)などの投与によって一時的に症状を和らげます。

栄養管理

アレルゲンを避けるための食事指導と代替食品を検討します。

飲食店における食物アレルギー対策

生命をおびやかす可能性もある食物アレルギーでは、給食などで亡くなる子どもがいることから、飲食店では非常に注意して気を配るべき事案となります。飲食店における食物アレルギー対策を解説します。

アレルゲン情報の提供

メニューに含まれる主要なアレルゲン(特に卵、乳、小麦、甲殻類、魚、大豆、ナッツ類など)を明確に表示することは重要です。アレルゲン一覧を提供し、スタッフがそれについて説明できるようにしておき、利用する人があらかじめ避けることができるようにしておきましょう。

スタッフの教育

食物アレルギーに関する基本的な知識と対処法をスタッフに教育する必要があります。万が一、アレルギー反応が起きた場合の応急処置方法(エピペンの使用方法など)を訓練するのもいいでしょう。

キッチン内のクロスコンタミネーション防止

アレルギーはほんの些細な量でも発症します。アレルゲンを含む食材と含まない食材を別々に保管し、調理も別にします。調理器具や調理スペースを使い分け、アレルゲンの混入を防ぎます。

お客様とのコミュニケーション

アレルゲンを含む特定のメニューに対し、注文時があった場合にはアレルギーの有無を確認します。それに対する特別なリクエストに対しては柔軟に対応できるような体制を整えておくといいでしょう。

明確なラベル付け

テイクアウトやデリバリーの際には、アレルゲンが含まれている食材であることが一目でわかるように明確にラベル付けしてください。

緊急対応策の準備

アレルギー反応が起きた際の緊急連絡先や最寄りの病院の情報を準備しておきます。必要に応じて応急処置セット(エピペンなど)の用意をしておくことも重要となります。

まとめ

食物アレルギーは、特に小児において一般的ですが、大人になっても持続する場合もあります。アレルギー反応の重篤度は個々の患者によって異なり、軽度から生命を脅かす重篤なものまでさまざまです。適切な対策を実施することで、食物アレルギーを持つお客様に対して安全で安心を提供することができます。


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