厚生労働省の調査によると、21年度の飲食店営業数は144万件以上と発表しています。[注1]商圏により密度は異なるものの、料理人が独立するということは、これだけのライバルがいる市場で利益を出し、生き残らなければならないということです。
この記事では、料理人の独立に必要な能力、失敗するケースを解説します。
料理人が独立するためには、おいしい料理を作れるだけでなく、店舗を経営する能力も必要です。独立のために必要な能力を解説します。
小規模の飲食店でも、開業には1,000万円以上の資金が必要です。
これだけの資金を個人で全額準備するのには困難なため、通常は日本政策金融公庫などから創業資金を借り入れます。
また、開業時だけでなく、運転資金が不足した際や経営難に陥ったときなど、資金調達が必要となる場面は何度も訪れます。
そのため、事業に必要な資金をどこから・どのように調達するか理解し、実際に調達する能力が必要です。
独立すれば店舗の経営はすべて個人で行わなければいけません。そのためには、経営者としての能力が必要不可欠です。
具体的には
など、商売をするための能力が一通り求められます。
また、飲食店では、独自の法律や衛生管理の理解も必要です。
スタッフを雇用して店舗を運営したいなら、人材管理能力も必要となります。
1人のスタッフを雇い入れるだけでも
などの手順が必要です。
さらに、人数が増えればシフト管理やスタッフ間の争いの仲裁なども行わなくてはいけません。
店舗の業態によっては、大人数用やテイクアウトなど、さまざまなシーンを想定した調理能力が必要です。
メニュー開発では、独自性や話題性だけでなく、原価と提供金額を考え、利益がでるように組み立てることも大切です。
せっかく腕がよくても、飲食店の運用方法を理解していないと、独立しても失敗してしまう可能性もでてきてしまいます。
料理人が独立で失敗してしまうケースでは、下記が考えられます。
特に、腕に自信のある料理人ほど、経営面の計画が甘く、失敗してしまうことがあるため注意しましょう。
独立を考えるタイミングは、それぞれの料理人により異なりますが、下記などがきっかとなります。
特に、ある程度現場を回せる実力が身についたら、独立を視野に入れ行動し始めてもよいでしょう。
料理の実力や腕前のある料理人でも、店を回すために必要な能力を把握していないと、撤退を余儀なくされるケースもあります。
料理人としての経験を活かすためにはどのような能力が必要か把握し、独立を成功させましょう。