【飲食店開業マニュアル】⑭プレオープンまでの準備

メニュー開発について

お店にとって集客の要となるものがメニューですよね。今の時代はネット映えする料理や店舗の人気が高いため、見た目が華やかなメニューを開発することも大切です。そこで、ここからはメニューづくりの基本について紹介していきます。

メニューコンセプトを考える

一番はじめにすることは、メニューのコンセプトを考えることです。コンセプトについてはこれまでの過程でだいぶ明確になってきていると思うので、メニューだけがコンセプトから外れないように考えていきましょう。その際は、以下の点について意識することがおすすめです。

  • ・ターゲットを意識する
  • ・ターゲットのニーズを把握する
  • ・自分のやりたい料理が何かを考える
  • ・相場をもとに価格を設定する
  • ・メニュー数を考える
  • ・他店との差別化を考える

メニューのカテゴリー分けをする

メニューリストを作成するためには、メニューのカテゴリーを決める必要があります。メニューのカテゴリーには

  • ・ランチ
  • ・ディナー

といった時間帯でわけるものから

  • ・前菜
  • ・サラダ
  • ・メイン
  • ・パスタ
  • ・ピザ・リゾットなど
  • ・デザート
  • ・ドリンク

など、種類でのカテゴリーがあります。はじめにカテゴリーを決めることで、その後のメニューの内容や数に偏りがないかなど、バランスを見ながら組み立てていくことができます。

価格を決める

価格設定は仕入れにかかる費用や相場を意識しつつ、自分のお店とコンセプトが似通った繁盛店の価格を参考にしてみるのも良いでしょう。

メニューを試作する

試作の際は極力実際の店舗の厨房で、選定した仕入れ業者があればそのサンプルを用いて行うことがおすすめです。実際の材料、厨房で作ることで提供まで考慮したメニューの良し悪しを感じることが出来るでしょう。

仕入れ先の選定について

安くて良質な食材を安定してもらうためには、仕入れ先の選定がとても大切です。ここからは仕入れ先にはどのような種類があるのか、それぞれのメリットについても紹介していきます。

生産者から直接仕入れる

有機野菜や特別栽培の野菜を扱うお店や、その日の朝に漁れた新鮮な魚介類をウリにしているお店など、それぞれのコンセプトに合わせて農家や漁師さんといった生産者から直接仕入れるお店は多いです。最近だとネットから全国の生産者と直接つながることが可能なので、そういったサービスを利用してこだわりの食材を仕入れてみるのも一つの方法です。

業者と契約して配達してもらう

業務用食材を扱っている業者と契約をし、決まった日に配達してもらう方法があります。この場合はお店まで配達してくれるため、買い物の手間が省けるというメリットがあります。業者によって食材の得意不得意があるため、複数の業者と契約しておくことで、価格や商品の質の良し悪しなども比較することができるでしょう。

ネットで注文する

今だと、業務用食材の通販サイトやAmazon、楽天などのECサイトなどを利用して仕入れる方法もあります。ただし、業務用食材の通販サイトの場合、ある程度まとめて購入しないと送料がかかってしまうことがあるため注意です。大量に注文する際は、仕入れた際の食材のストック場所もあらかじめ考えておくと良いでしょう。

市場や近所のスーパーで仕入れる

市場や近所のスーパーで仕入れる場合は、築地市場などの卸売市場で仕入れるという人が多いですが、食材を自分の目でみて確かめることができる反面、手間と時間がかかる方法でもあります。

在庫管理と棚卸について

飲食店による食中毒などのトラブルはお客様にとっても、オーナーにとっても避けたい事態です。そういったトラブルを避けるための在庫管理について紹介したいと思います。

食材は分けて保存する

食中毒の原因は接触による感染がほとんどです。それぞれの食材ごとに分類し、バットやビニールなどに保存することで、食材同士の接触を防止しましょう。

必ず日付を記入する

分類した食材には、わかりやすい位置に納品日、開封日、賞味期限、消費期限を書いておきましょう。

棚卸をおこなう

棚卸とは『店舗で抱えている在庫数を確認をする作業』のことです。週末や月末などの決まった日に在庫状況を確認し在庫数を記録するようにしましょう。棚卸の際に、食材の正しい保管がされているか、衛生状況に問題がないかなども確認することで衛生管理を徹底することができます。

在庫管理表・棚卸表を作成する

在庫管理や棚卸を分かりやすくするために、在庫管理表や棚卸表を作成しておくことがおすすめです。最近だとネットからテンプレートをダウンロードすることが出来るので、そういったものを活用すると良いでしょう。

店舗オペレーションについて

プレオープンやその後の営業のために、事前に店舗スタッフとの店舗オペレーションの確認とトレーニングが必要です。その際に、確認しておくべきポイントについて紹介します。

食材や消耗品の管理で確認しておくべきこと

食材や消耗品においては、以下の内容を取り決めてスタッフと共有しておきましょう。

  • ・在庫量
  • ・発注方法とタイミング
  • ・納品、検品の仕方
  • ・在庫管理と棚卸の仕方

厨房機器と備品類で確認しておくべきこと

厨房機器と備品類については、以下のことを確認しておきましょう。

  • ・厨房機器や設備の動作確認
  • ・食器など備品類の過不足チェック

厨房で確認すべきこと

特に厨房スタッフとは、以下のことを確認しておきましょう。

  • ・料理提供時間
  • ・料理の見た目や味
  • ・動作の安全性
  • ・衛星面(清掃やごみの管理など)

ホールで確認すべきこと

特にホールスタッフとは、以下のことを確認しておきましょう。

  • ・服装・身だしなみ
  • ・挨拶・笑顔・話し方などの立ち居振る舞い
  • ・注文を受けてから厨房へ伝えるまでのルール
  • ・配膳と片付けのルール
  • ・レジ操作の仕方
  • ・クレーム時の対処法

プレオープンについて

プレオープンとは『本番のオープン(グランドオープン)より前に、実際にオープンした後と同じメニューでお客様に料理や飲み物を試験的にご提供してみること』を指します。プレオープンは、実際に営業を開始するグランドオープンの練習というだけではなく、お客さまに自分のお店のサービスを知ってもらう宣伝の意味合いも強いです。そこでここからは、プレオープンはいつ、どのように開催すればよいかなどについて紹介したいと思います。

開催時期

プレオープンは、お店がオープンする2~3日前に開催するのが一般的です。

料理代金

プレオープンでの料理の提供は、基本的には無料にするか、プレオープン用の価格を設定します。無料にした場合でも実際に会計までは行い、会計後に全額返金することで開店後の練習にもなります。

招待状の送り方

友人やご家族、取引先など日ごろからお世話になっている方たちにお店をオープンすることを伝え、プレオープンにご招待しましょう。宣伝をしてもらうために、プレス関係者にも郵送またはFAXで招待状を送っておくことがおすすめです。

まとめ

いかがでしたか。メニュー開発からプレオープンまではスタッフも含めてやることが山積みです。直前に焦ってプレオープンの日に失敗しないためにも、本記事で紹介したような内容を参考に準備してみてください。


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