飲食店の開業資金には1000万円ほどかかると言われており、そのうちの約3割である300万円は自己費用でまかなう必要があるとされています。
それらの資金を全て貯金でまかなうのは難しいですよね。飲食店の開業資金の調達方法には以下のようなものがあります。
親族からの資金調達は、金利が高額にならないことや、人によっては借りやすいことから意外とポピュラーな方法です。また、親族からの資金調達を行うメリットとして大きいのが『血縁や親族からの資金調達が資産扱いになる』という点です。
そのため、親族から借りた分のお金を自己資金扱いにし、その他の融資を受けやすくなります。自己資金が少ないという方には特におすすめの方法です。
パトロンなどの支援者がいる場合は、支援者からの資金調達を行う場合もあります。しかしこの場合、調達した資金は自己資金扱いにはなりませんので注意してください。
銀行などの機関から融資を受けるのは多くの方が行う資金調達の方法です。地方銀行なのか都市銀行なのかによって借りれる金額や金利が異なりますので、いくら資金調達しなければならないのかも考えて選択するようにしましょう。
日本政策金融公庫から融資をうけることも可能です。この場合、金融機関に出向かなくていいことや新創業融資制度より1%利率が低いことなど、様々なメリットがあるので利用出来る方は積極的に考えておくとよいでしょう。
飲食店を開業したいと思っている方に、是非知っておいてもらいたい制度があります。それらを活用することで、よりよい条件で資金調達することが出来るので検討してみてください。
中小企業経営力強化資金とは『創業時に無担保・無保証人、低金利で融資を受けられる制度』のことです。
これは政府系の金融機関である日本政策金融公庫が、新しい産業を産み育てることを目的に行っている制度の1つであり、2000万までは無担保・無保証人で、最大7200万まで借り入れることができます。
2000万円あれば多くの飲食店開業の資金としては足ります。それらの資金を無担保・無保証人で借り入れることができるため、是非活用したい制度です。
中小企業経営力強化資金の概要は以下の通りです。
7200万(うち運転資金4800万)
2000万までは不要
2000万以内で無担保・無保証人で融資を受ける場合は2.11~2.40%。それ以外の方は1.16~2.25%
中小企業経営力強化資金を活用するメリットには、以下のものがあります。
中小企業経営力強化資金を活用するデメリットには、以下のものがあります。
があげられます。
中小企業経営力強化資金制度を利用する際の手順は、以下の通りです。
新創業融資制度は『無担保・無保証人で最大3000万まで借り入れることができる』制度であり、日本政策金融公庫は、新しい産業を産み育てることを目的に取り組まれている制度の1つです。新創業融資制度の概要は以下の通りです。
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方
以下のいずれかに当てはまる方
格融資制度が定める返済期間以内
不要
約2% ※市場動向で変化
新創業融資制度を活用するメリットとして、以下のものがあります。
新創業融資制度を活用するデメリットとしては、若干金利が高めという点があげられます。
新創業融資制度を利用する際には、以下の手順で申請を行いましょう。
融資審査に通りやすくするためには、以下のことに気を付けてみてください。
自己資金が多いほど、融資審査は通りやすいとされています。自己資金は最低でも融資希望額の1/10以上は必要とされていて、飲食店開業おいては300万円以上が相場だといいます。
そのため、自己資金がほとんどないから融資を受けよう、という考えだと融資審査に通らない可能性があります。融資審査の前から、ある程度の貯蓄をするようにしておきましょう。
融資では、その自己資金がどのように貯められたものなのかどうかも重要視されます。例えば、同じ貯金通帳でも、数年間にわたってコツコツと積み立てられたものなのか、ある日突然多額の金額が振り込まれたものなのか、それによって審査員が受ける印象は違ってきます。
融資を受ける際には、直近半年分の通帳コピーを提出しなくてはならないため、コツコツと積み立てられた自己資金である印象を付けるには少なくとも半年以上前から計画的に積み立てをしておく必要があります。
既に半年以上前に目標の金額に達している場合、それ以降も徐々に増えているような通帳であれば、審査員は『この人は開業資金を貯めるためにコツコツ貯金をしてきた人なのだな』という印象をうけるでしょう。
しかし、半年前の時点では貯金がほぼない状態で、直近にまとまった額が入金されているような通帳では『計画性のない人』と判断されてしまう可能性があるのです。
事業計画書が充実していれば、より融資審査に通りやすくなります。事業計画書を書くときに意識すべきは
等のことについて、明確に記載していくことです。
いかがでしたか。資金調達がスムーズにできるかによって、飲食店開業が出来るかどうかが決まると言っても過言ではありません。今後融資審査を受けるという方は、是非本記事で紹介した内容を参考にしてみて下さい。