融資を受ける時の流れは以下のようになっています。
これらのステップをしっかりと準備しクリアしていかないと、希望の融資を受けることは出来ません。
本記事ではそんな融資を受ける時に意識しておきたい、融資審査をプラスにする工夫や融資に落ちてしまう人の特徴について紹介していきます。
融資審査に通りやすくするためには、以下のことに気を付けると良いでしょう。
自己資金が多いほど、融資審査は通りやすいとされています。自己資金は最低でも融資希望額の1/10以上は必要とされていて、飲食店開業おいては300万円以上が相場だといいます。
そのため、自己資金がほとんどないから融資を受けよう、という考えだと融資審査に通らない可能性があります。融資審査の前から、ある程度の貯蓄をするようにしておきましょう。
融資では、その自己資金がどのように貯められたものなのかどうかも重要視されます。例えば、同じ貯金通帳でも、数年間にわたってコツコツと積み立てられたものなのか、ある日突然多額の金額が振り込まれたものなのか、それによって審査員が受ける印象は違ってきます。
融資を受ける際には、直近半年分の通帳コピーを提出しなくてはならないため、コツコツと積み立てられた自己資金である印象を付けるには少なくとも半年以上前から計画的に積み立てをしておく必要があります。
既に半年以上前に目標の金額に達している場合、それ以降も徐々に増えているような通帳であれば、審査員は『この人は開業資金を貯めるためにコツコツ貯金をしてきた人なのだな』という印象をうけるでしょう。
しかし、半年前の時点では貯金がほぼない状態で、直近にまとまった額が入金されているような通帳では『計画性のない人』と判断されてしまう可能性があるのです。
事業計画書が充実していれば、より融資審査に通りやすくなります。事業計画書を書くときに意識すべきは
等のことについて、明確に記載していくことです。これらの詳しい書き方については事業計画書作成の記事にて紹介していますので、そちらをご覧ください。
融資は個人事業主よりも法人のほうが受けやすい傾向にあるので、法人化しておく方が有利となります。
また、融資の審査では『法人化からどのくらい経過しているか』もポイントになり、法人化してからの期間が長いほど信用もアップする傾向があります。銀行からの融資を検討している場合は、早めの法人化を検討するのも良い手段といえるでしょう。
ここからは融資審査で落ちる人の特徴について紹介していきます。これらの特徴に当てはまると融資がもらえず、計画が頓挫する可能性があります。融資審査を受ける前にこれらの不安要素はなるべく無くした状態にしておきましょう。
信用情報に傷がついているということは、言い換えれば信用力がマイナスに状態ということです。信用情報に傷をつけてしまうこととして、以下のようなものがあります。
これらに当てはまると、返済能力がないと判断されてしまうため融資を断られてしまうのです。しかし、これらの情報は永久的に残るわけではありません。おおよそ5年から10年ほど経てば、信用情報に傷がついていない状態になるといわれています。
もしもこういった経験がある方は、滞納などを繰り返さないようにしながら、信用情報から名前が消されるまで待ちましょう。
本来収めるべきの税金を滞納している場合も、融資を断られる原因となります。特に融資を申し込んだ先が日本政策金融公庫であった場合、税金の滞納や未納があっては審査に通過できないとされています。また、税金の他には家賃や公共料金などの支払いが遅れている場合も同様です。
自己資金が少ないと融資を断られることがあります。自己資金をいくら貯めているのかということで、資金管理能力があるということをみられているのです。
なお、自己資金がたくさんあると見せるために、家族や知人などから一時的にお金を振り込んでもらう方もいますが、そのような見せかけの行為は通用しません。
約6ヶ月分の通帳を調べられるため、コツコツ積み立ててきた自己資金かそうでないかはすぐにバレてしまいます。
どうしても自己資金が少なくてなかなか貯まらない場合は、出資により資本を増やすようにするのも手段です。この際は、見せかけのお金だと判断されないように、計画に共同事業だということを記載すれば良いでしょう。
それでも金が足りていない場合は、見込み客がいることや、優れた営業能力があることをアピールするなど、会社の安定性を売り込む必要があります。
審査で重要視されることは自己資金が足りているのかということと、事業計画書の内容です。そのため自己資金が足りていたとしても、事業計画書に信憑性が無かったり大雑把な内容であると、融資を断られてしまう可能性があるのです。
1社が受けられる融資枠というものがあるため、既に他から大きな金額の融資を受けている場合には断られる可能性があります。
融資を受けるときは、借入申込書に使用用途を記入する必要があります。
この申込書に記載していた使用用途とは違う目的で使用した場合、条件違反に該当します。条件違反になる具体例としては『借入申込書の使用用途に設備資金のためと記入したが、そのお金を運転資金に使ってしまった。』などというパターンが挙げられます。
銀行などにその事実が知れ渡ってしまった場合、残金は全額返済することになるでしょう。
借入を申し込んだ先で過去に返済をリスケしていた場合も、融資を断られることがあります。 返済のリスケとは『融資の返済条件を変更したり緩和する』ことです。
返済をリスケする=財務状況が悪化していると判断されますので、信用が下がり融資を断られる可能性があります。現在リスケの真っ只中、という場合も追加の融資を断られる可能性が高いです。
面談で熱意を伝えられなかったり、うまく説明できなかったりした場合も、融資を断られる原因となります。特に印象が悪くなるのは、以下のような場合です。
これらに当てはまらないようにするためにも、面談の練習はしっかりしておきましょう。
いかがでしたか。融資審査をクリアできるかどうかによって、飲食店開業が出来るかどうかが決まると言っても過言ではありません。今後融資審査を受けるという方は、是非本記事で紹介した内容を参考にしてみて下さい。