定食屋は競合が多いため、お店を繁盛させるためには勢いだけで開業するのではなく、しっかりとしたノウハウを身に付けるべきです。
ここでは、定食屋の開業ノウハウや定食屋開業に必要な資格、開業時の注意点をご紹介します。これから定食屋を開業する方は、ぜひご参考にしてください。
定食屋を成功させるためには、お店のコンセプトを明確にすることが大切です。ただし、店主の独りよがりなコンセプトでは、成功に繋がりません。
お店を繁盛させることを目指すのであれば、どのようなお客様をターゲットにするのかを決めたうえでコンセプトを考え、お客様のニーズに的確に応えるお店作りをしていきましょう。
たとえば、ターゲットを決める前に「ワンコインで食べられる定食屋」というコンセプトを打ち出す場合を考えてみましょう。
このコンセプトでは、メニューの価格は決まっても、お店のメニューの内容や内装は決まりません。
加えて、そもそもワンコインの定食が誰のニーズに応えるものなのかも考えられていません。そのため、お客様の要望、希望とずれてしまう可能性があります。
一方、ターゲットを「40代のサラリーマンの男性」「20~30代のOL」などと絞ると、メニューや内装が決めやすくなります。
また、ターゲットをまず決定したうえでコンセプトを考えることで、お客様のニーズに即したコンセプトを創り出すことが可能になるでしょう。
定食屋を成功させるためには、立地のよい物件を選ぶことが重要です。どんなによい料理を提供していても、人の目の付かない場所にあると訪れにくくなってしまいます。
また、駐車場がない、車の通りにくい細い道にあるといったこともマイナスに働くので、注意が必要でしょう。
どこにでもあるようなメニューしかない定食屋は、ファンがつきにくく、ほかのお店との差別化が図れません。
逆に、このお店にしかない強み、このお店でしか食べられない料理があると、ほかの店では替えがきかないため、根強いファンが生まれます。
ファンが増えれば売上は安定し、長年愛される定食屋となります。メニューの中には差別化を図れるこだわりを入れるべきでしょう。
定食屋を開業するために必要な資格、届出は、「食品衛生責任者」「防火管理責任者」「開業届」の3つです。なお、調理師免許は、飲食店開業に必ずしも必要なものではありません。
飲食店を開業する場合、保健所から食品営業許可をもらう必要があります。
この要件のひとつに、「最低1人は店舗に食品衛生責任者の資格を有する人を配置する」という項目があるため、食品衛生責任者の資格取得は必須です。
食品衛生責任者の資格は、公衆衛生学や衛生法などに関する講習を受けることで取得できます。講習自体は1日で終わります。ただし、調理師免許、栄養士免許を持つ場合、講習は免除されます。
防火管理責任者は、30人以上収容できる店舗を利用する場合に必ず取得しなければならない資格です。
資格取得は、管轄の消防署で行います。防火管理責任者の資格は、甲、乙の2つがあり、敷地面積によって取得すべきものが変わります。
資格取得には、防火管理などに関する講習を受ける必要がありますが、講習は1〜2日で完了します。
開業届も飲食店を開業するために必要です。届出は税務署で行い、開業から1ヵ月以内に手続きを行わなければなりません。
以下では、定食屋を開業する際の2つの注意点をご紹介します。
定食屋を開業する際は、清潔感がない作りになっていないか注意すべきです。定食屋は食事をする場所ですので、お客様は清潔感の有無をとても気にします。
どんなに安くて美味しい料理を提供していても、清潔感がないとお客様は離れていってしまいます。このため、定食屋を始める方は、内装に気を配るべきでしょう。
白いデザインは明るく清潔感を演出しやすいですが、汚れが目立つのでこまめに掃除する必要があります。一方、黒いデザインは汚れが目立ちにくいですが、お店全体が暗い印象になります。
このように色やデザインの特性を知り、自身のお店に相応しい内装を考えてみましょう。
定食屋の経営がうまくいかない要因のひとつに、価格設定が不適切であることが挙げられます。
価格設定が不適切になってしまう場合、メニューと不釣り合いになっている、客層にマッチしていないといった原因が考えられます。
メニューを見返してみて、今の値段で満足できる内容なのかをチェックし、客層に合ったメニュー・料金体系に変更するなどの対策をとりましょう。
飲食店経営では、改善点はないか研究していくことが不可欠です。初めに設定した値段が最善ということはないので、常にチェックするようにしましょう。
定食屋の開業ノウハウ、開業に必要な資格や届出、定食屋開業で注意すべきことを解説しました。
定食屋を成功させるためには、事前の下調べがとても大切です。これから開業する方は、本記事の内容だけではなく、できるだけ多くの情報を取り入れて万全の体制で臨んでください。