飲食店開業を考えているなら、店舗の内装工事と平行して仕入れ先選びも進めましょう。仕入れ先から食品を仕入れないと、お客様へ料理やドリンクを提供できません。
ただ、個人経営の飲食店では、鮮度を保ったりコストカットをしたりするために、肉は肉、魚は魚など、提供する料理に応じて仕入れ先を変える努力も必要です。
そこで今回は、飲食店開業における正しい仕入れ先の選び方をご紹介します。
一般的な飲食店開業時の仕入れ先は、
などです。卸売業者ごとに扱っている商品が違うため、基本的には複数の仕入れ先を組み合わせて使う必要があります。
鮮度が味に直結する魚やエビなどの海産物を扱う場合、最寄りの市場や漁港、鮮魚店へ足を運び、毎日自分で目利きをして仕入れるのが一番です。
業務用のスーパーなどを経由すると、輸送の関係でどうしても鮮度が落ちてしまうため、当日の朝収穫した海産物を使いたい場合は、市場を利用するとよいでしょう。
市場では、その日の入荷量によって食材の金額が変わるため、うまく使いこなせば仕入れの予算も節約できます。
鮮度の関係ない調味料や米、冷凍食品といった定番の食材は、卸売業者や業務用スーパーから仕入れるのがおすすめです。
品ぞろえや価格も安定しており、ストックを用意しなくても、足りなくなったときだけ買い出しをすることができます。
こだわりの野菜やおいしい野菜、鮮度のよい野菜を使いたい場合は、生産者に直接連絡を取り、定期的に食材を送ってもらってもよいでしょう。
コストは割高になりますが、仲卸業者などを経由して買うよりは仕入れ値を安く抑えられます。
市場や業務用など、複数存在する仕入れ先には、それぞれ「店舗まで商品を届けてもらえる」「急に食材が足りなくなったとき当日中に届けてもらえる」「新商品を紹介してもらえる」「ある程度以上のロットでしか注文できない」といったメリット・デメリットが存在します。
同じ商品を注文する場合でも、どの仕入れ先を使うかによって飲食店開業後の営業のしやすさが変わるため、それぞれのメリットとデメリットを知っておきましょう。
市場のメリットは、鮮度と価格の安さです。ただ、日によって入荷される商品が変わるため、毎日同じメニューを提供したいという用途には向きません。
業務用スーパーは、価格も安く業務用の大容量な食材も購入できます。ただし、買った商品を配送してはもらえないので、買い出しが面倒です。
卸売業者を仕入れ先にすると、発注した食材を店舗まで届けてもらえます。ただし、新製品の営業をかけられたり、ある程度のロットからでないと注文できなかったりするので、利用するならある程度の予算が必要です。
飲食店開業に決めた仕入れ先を、ずっと継続する必要はありません。仕入れ先の経営方針や経営状態が変わり、価格が上がったり希望の商品を仕入れられなかったりすることもあります。
営業が落ち着いてきたら、よりより食品を仕入れたりコストカットしたりできるように、新しい仕入れ先を開拓しましょう。
飲食店開業では、仕入れ先の確保が必要不可欠です。市場や業務用スーパーなど、仕入れ先によって強みと弱みが違うので、提供したいメニューに合わせて使い勝手のよい仕入れ先を選びましょう。