VTuberと合えるコンセプトカフェの仕組みを知ることで、より楽しい時間を過ごすことができるかもしれません。
コンセプトカフェは略してコンカフェとも呼ばれ、一般的なカフェとの違いとして、特定のテーマやコンセプトに基づいた飲食店のことを指します。内装やスタッフのユニフォームや衣装、サービスがそのテーマに従って統一されている点が特徴です。
コンセプトカフェにはいくつか代表的なジャンルがあります。
スタッフがメイドの衣装を着て、来店するお客さまをご主人様、やお嬢様と呼んで接客します。可愛らしい雰囲気や丁寧なサービスが魅力です。
メイドカフェの逆で、スタッフが執事の衣装を着て、お客さまをお嬢様や坊ちゃまとして、もてなします。高級感のある接客が特徴です。
特定のアニメ、ゲーム、漫画などをテーマにしたカフェで、内装やメニュー、店員の衣装がその作品に関連しており、ファンが作品の世界観を体験できる場所として人気です。
恐怖や怪奇現象をテーマにしたカフェで薄暗い照明やお化けのような店員が雰囲気を作り、スリリングな体験を楽しむことができます。
戦国時代や忍者、病院など、独特なテーマを扱うカフェもあります。近年注目されているVTuberカフェは話題となっています。
なぜコンセプトカフェが人気となっているのか、それにはさまざまな特徴が関係しています。
テーマに基づいた独自の世界観を提供し、訪れる人々に現実から離れた体験をさせることが目的です。
テーマに沿った特別な接客スタイルが魅力で、ただ食事をするだけでなく、テーマに没入する体験が求められます。
特定の日時にイベントが開催されることも多く、ファンが店員と一緒に写真を撮るコスプレイベントや、特別なメニューを楽しむことができる日もあります。
日本では、特に東京の秋葉原や大阪の日本橋といったところが文化の中心地として人気があり、観光客も訪れることが多いです。
近年さまざまなSNSで見ることが増えたVTuber、実はコンセプトカフェの中にはVTuberに会うことができるといった斬新なものもあります。
まず、VTuber(ブイチューバー)を理解しましょう。「Virtual YouTuber」の略で、主に 3Dまたは2Dのバーチャルキャラクター を通じてYouTubeなどのプラットフォームで活動する配信者のことを指します。VTuberは通常、リアルタイムで動くキャラクターを介して配信や動画投稿を行い、視聴者とのコミュニケーションをとります。
VTuberは、基本的に顔出しはしません。本人の顔や身体の代わりに バーチャルなアバターを使用します。このキャラクターは、さまざまなデザインとなっていますが、アニメ風のものが多くみられます。モーションキャプチャやフェイストラッキング技術を用いて、配信者の動作や表情をリアルタイムで反映させます。
VTuberの活動は、ゲーム実況、雑談、歌ってみた、ASMR、お絵かき、企画配信、コラボ配信など、多彩なコンテンツを提供しています。
多くのVTuberは、自身のキャラクター設定や背景ストーリーを持ち、そのキャラクターになりきった状態で活動します。このキャラクター性が視聴者との距離を縮め、ファンを獲得する要因となっています。
VTuberには、ホロライブやにじさんじといった大手のプロダクションに所属するVTuberもいれば、個人で活動するインディーズのVTuberもいます。プロダクション所属のVTuberは、事務所が提供する技術やサポートを活用し、大規模なイベントやコラボ企画に参加することも多いです。
VTuberの文化は、日本から始まりましたが、現在では英語圏を中心に 世界中に広がっています。特に日本語が話せないファン向けに、英語や多言語で活動するVTuberも増えています。
VTuberという概念は、2016年に、キズナアイが登場したことで広く知られるようになり、彼女がVTuberブームの火付け役となりました。その後、多くのVTuberが登場し、VTuber文化は大きく成長しています。技術の進化とともにVTuberの活動は今後もさらに多様化・拡大していくと考えられています。
VTuberに会えるコンセプトカフェは、バーチャルなVTuberと現実世界での体験を融合させたエンターテイメント空間といえます。このようなカフェは、VTuberのファンが直接キャラクターやその世界観を楽しむことができる場所となっています。VTuberがどのようにしてコンセプトカフェで「会える」存在となっているのか、を紹介します。
コンセプトカフェでは、大型ディスプレイやプロジェクションマッピングを使って、VTuberのキャラクターがまるでその場にいるかのように感じられる演出がおこなわれています。VTuberはスクリーンを通してリアルタイムでファンとコミュニケーションを取ることもあります。リアルタイムのライブ配信やARという拡張現実技術が使われることが多いです。
VTuberは、別の場所でモーションキャプチャやフェイストラッキング技術を駆使して自分の動きや表情をリアルタイムでVTuberのアバターに反映させ、カフェの大画面やプロジェクションに投影しているのです。他にもさまざまな機能があります。
「モーションキャプチャ」
VTuberを操作する人物が専用のモーションキャプチャスーツやフェイストラッキングデバイスを着用し、その動きがリアルタイムでキャラクターに反映されます。
「AR、VR」
一部のカフェでは、ARメガネやスマートフォンを使ってカフェ内にVTuberが現れるような演出がされる場合もあります。VR空間上のカフェと現実のカフェをリンクさせることで、仮想的な空間の中でVTuberとインタラクションできることもあります。
「プロジェクションマッピング」
空間の一部にVTuberの映像を立体的に投影し、仮想的な空間にファンが入り込むような体験が可能です。
「3Dホログラム」
一部の先進的なカフェでは、ホログラム技術を使って、VTuberが立体的に見える演出が行われることもあります。
「チャット機能」
カフェ内の端末やスマートフォンアプリを使って、VTuberに質問やメッセージを送ることができ、VTuberがそれにリアルタイムで応答することが可能です。
「ファンとの共同企画」
VTuberがファンとのコラボレーションやゲーム企画を行い、実際にその場にいるファンと交流できるイベントもあります。
また上記のような「会う」とは違い、VTuberの中の人にリアルに会うことができるといったコンセプトカフェも登場しています。VTuberをやりながらコンセプトカフェでスタッフをおこなっているわけです。
ホロライブカフェやにじさんじカフェといった大手VTuberプロダクションが期間限定でコラボカフェをオープンすることもあります。秋葉原や渋谷などは世界的にも観光地といえる場所でVTuberに特化したコンセプトカフェが期間限定で展開されることも一般的となってきています。このようなカフェは、ファン同士が交流する場となっており、VTuberの世界を現実でも楽しみたい人々にとって特別な場所となっています。この先もVTuberに会えるカフェは増えることになるでしょう。
しかしながら、VTuberという存在に対する考え方は人によって違います。そのため、VTuberの中の人に直接会うことができるカフェに関しては、今後の可能性に期待できないかもしれません。VTuberの中の人を知りたくないというひとがいたり、世界観やバーチャル感を失ってしまうと感じるひともいるためです。